Online Journal of JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
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2024 Volume 6 Issue 2 Pages 117-118

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研修概要

1. 研修施設名

聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院

2. 研修期間

2023年12月18日~12月22日

報告

今回の研修を通して,Nutrition Support Team(以下,NSTと略)活動は多職種の連携によるチーム医療のもとに成り立つ活動であることを改めて実感しました.

研修に参加することにより,多職種がどのように栄養管理に関わり,NST活動を行っているのかを実際に参加して学ぶことができました.また,専門分野の知識を持ち合い,多くの視点から患者の問題点を抽出し,今後の生活を見据えた栄養管理を行なっていることに感動しました.カンファレンスは,医師,看護師,栄養士,薬剤師,セラピストが多方面から意見を出し合い,総合的に患者を捉えて,問題解決に向けて話し合いをしており,チームで活動することの大切さも改めて感じました.多職種が密に連絡,報告,相談を行って,各分野の専門家が最大限に能力を発揮することが患者さんの栄養改善の近道だと思いました.また,カンファレンスの結果や方向性,栄養の必要摂取量など患者本人にも説明し納得していただいてから栄養管理を進めており,患者の自己決定権の尊重も大切だと感じました.

今回の研修での5日間は普段の仕事の日常業務や家庭等から離れてNST関連のことだけを学び,自施設の活動や現状を振り返り考えることのできる貴重な時間でした.わたしは昨年度にNST活動をはじめるにあたり,NST療法士として何が出来るのかと漠然とした不安を抱えていました.そんな中,実習という形で参加できる本研修のおかげで不安が軽減し,自施設でのNST活動の進め方がイメージしやすく,明確になったように思います.NST活動を開始したばかりだからこそ,多くのことを柔軟に考えて挑戦し構築できる時期だと思えました.研修での学びを多職種に伝達を行いながら,NSTメンバーが活動しやすく,患者の栄養管理の質の向上につながる働きかけをしていきたいと思います.そしてNST療法士として病棟スタッフへの栄養知識の向上や興味をもってもらうことに力を入れたいと思いました.

急性期は平均入院日数が10日前後と短いが慢性期の病院は1–3カ月と長いので患者と関われる時間が多く指導,教育の機会も多いです.急性期での超早期からの栄養管理の実際を知り,転院後の慢性期の病院でもサルコペニアを予防し,栄養管理を維持継続できるよう心がけたいと思いました.そのために今回の研修での学びを活かし,まず患者の栄養評価を確実に施行し,その上で適切なリハビリテーションを施行するリハビリ栄養に力を入れたいと思いました.自力体動困難な患者は日頃からベッド上が当たり前ではなく,病状のリスク評価をした上でのフラットリクライニングを利用した離床による環境変化の刺激も取り入れていきたいです.セラピストの少ない当院でリハビリテーションのできる時間は短く,対象者も限られるため,日常の看護ケア業務にきめ細かな栄養管理とリハビリテーションを取り入れていきたいと考えました.当院は栄養付加食品が少ないので,リハビリテーション前後での栄養補給,蛋白パウダーや褥瘡の栄養管理のための栄養補助食品の選定等を行っていきたいです.研修で得た栄養管理の知識を当院で伝達や発信をし,周知していく中で保清や検温と日々の中で当たり前の流れで行う業務のように,栄養管理とリハビリテーションが当たり前の療養環境作りをしていきたいと思いました.また,入院時からの嚥下機能評価や口から食べるための口腔内環境の整備,嚥下機能低下予防の働きかけも取り組んでいきたいと考えています.急性期からの継続した栄養管理とリハビリテーションで在宅復帰率の向上,患者のQuality of Lifeの拡大に繋げていきたいです.今回の研修で学んだ多職種での連携を大切にしたNST活動を心掛けていきたいと思いました.

最後に,お忙しい中研修を引き受けてくださった聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の方々,栄養管理をより良くしたいと同じ方向を志す仲間に出会えたことに感謝です.NST活動を頑張ろうと思う原動力になりました.本当にありがとうございました.

写真1.病棟勉強会の様子

 

掲載している写真は,被写体となった方から掲載への同意を得ています.

 
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