分子動力学を用いた二次元液晶の構造解明

抄録

疎水性のスメクチック液晶を十分に広い水面上に展開すると、二次元スメクチックC相が実現される。このとき、面内において液晶分子間には長距離的配向相関がある。それに対し、棒状液晶分子を長軸が界面に平行となるように配置された単分子膜では、液晶特有の光学異方性は見られない。このように、バルクではより典型的なネマチック液晶は、理想的な二次元系が存在しない。この差異の要因を明らかにするため、本研究では分子動力学を用いて、二次元液晶の構造解明を行った。