屈曲型液晶分子はその形が駆動力となってバナナ液晶と呼ばれる特有の液晶相を示す。本研究では1,7-ジヒドロキシナフタレンを中心コアとしアルキルチオ鎖を両端に持つ、顕著に小さいベント角を有する新規屈曲型液晶分子の設計を行いその液晶性の調査を行い、強誘電性ヘキサゴナールカラムナー相(Colh)の発現を確認した。Colh相は、これまでのヘキサゴナールカラムナー相とは異なりスメクチック層がループ上に閉じることで形成されると考えられ、当該層変形構造は非対称の中心コアと柔軟なアルキルチオ鎖によってもたらされると解釈した。