電気泳動
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シンポジウムII:電気泳動法と臨床検査―新たな発展に向けて
臨床検査における電気泳動法の今後~尿蛋白電気泳動解析から尿蛋白病態解析へ~
久保田 亮飯島 史朗芝 紀代子
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2016 年 60 巻 1 号 p. 23-26

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抄録

セルロースアセテート膜電気泳動は蛋白分画を行う上で容易で簡便な方法である.我々は,様々な腎臓病患者の尿を用いて,セルロースアセテート膜電気泳動を行い,得られた蛋白バンドの相対移動度(RM)から,糸球体障害パターン,尿細管障害パターン,混合パターンの3つに分類してきた.この分類方法をさらに応用するために,起立性蛋白尿の人やDent病患者の尿蛋白を解析した.起立性蛋白尿について,SDS-PAGE法で解析したところ,起立性蛋白尿の人は27.7 kDa,39.2 kDaに特徴的に濃染するバンドが検出できた.さらにセルロースアセテート膜電気泳動法で解析したところ,前彎負荷試験後15分及び30分後の尿は,糸球体障害パターンを示した.次にDent病患者の尿について,セルロースアセテート膜電気泳動法で解析したところ,血清蛋白分画とは異なる蛋白分画を示した.特にslow α2グロブリン分画,βグロブリン分画が特徴的であった.またセルロースアセテート膜電気泳動後に自然転写法を行ったところDent病患者の尿蛋白分画からシスタチンCやプレアルブミンが検出された.さらにプレアルブミンはslow α2グロブリン分画に検出されることが分かった.今後さらに様々な腎障害患者の尿蛋白について,セルロースアセテート膜電気泳動法を用いて詳細に解析することで,本法が腎疾患の診断の一助になるのではないかと考える.

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© 2016 日本電気泳動学会
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