電気泳動
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総説
希少がんのプロテオーム解析
近藤 格
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キーワード: rare cancer, proteomics, biobank, cell line
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2017 年 61 巻 2 号 p. 137-140

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抄録

希少がんとは,10万人あたり年間発生数が6例以下の悪性腫瘍と定義されている.個々の希少ながんの患者数は少ないが,200種類ほどの悪性腫瘍が希少がんに分類されるので,全体としては新規に診断されるがん患者の約20%が希少がんを患っている.とは言え,個々の希少ながんの症例数は少なく,臨床試験はとりわけ難しい.バイオマーカーによって症例を層別化することが必要である.我々は,典型的な希少がんである肉腫の新規治療のための医療シーズを見つけるために,患者由来がんモデルを作製して抗がん剤の増殖抑制効果をスクリーニングしている.現在までに,きわめて低濃度で肉腫細胞に抗腫瘍効果を示す抗がん剤をいくつも同定した.並行してプロテオーム解析を用いて薬効効果を予測するバイオマーカーをみつけている.患者由来がんモデルやプロテオーム解析の活用は,希少がんの新しい治療法の開発においてたいへん有用なアプローチである.

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© 2017 日本電気泳動学会
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