電気泳動
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総合論文
MALDI biotypingの農業分野への応用
梶原 英之
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2017 年 61 巻 2 号 p. 155-158

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抄録

植物病原菌,植物ウイルス,あるいはハダニ等の微小害虫による植物病の診断はDNA解析等による方法も導入されつつあるが,もっぱら目視によるものがほとんどである.これらの手法は時間がかかり,専門家でなければできない.ヒト感染症の診断にマトリックス支援飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOF MS)が導入されつつある.迅速・安価な植物病の診断と防疫防除を目的として,このMALDI biotyping法を農業分野への導入を試みた.病兆を示す部位から得た粗抽出液を直接分析することによって,寒天培養等の操作を経なくても植物病原菌を検出することができた.ハダニ以外の微小害虫も特有の質量スペクトルを示し,種の判別ができた.タバコモザイクウイルスについては,ポリエチレングリコールを使って部分精製すればそのコートタンパク質を検出することができた.本法の農業分野での応用が期待された.

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© 2017 日本電気泳動学会
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