電気泳動
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総合論文
Phos-tagなどのリン酸化プロテオミクス技術による疾患原因キナーゼの機能解析
小迫 英尊茂谷 康
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2017 年 61 巻 2 号 p. 53-57

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抄録

ヒトにはタンパク質キナーゼが500以上も存在し,それぞれ標的基質をリン酸化することで様々な情報伝達系で中心的な役割を果たしている.キナーゼの遺伝子異常は種々の疾患を引き起こすため,個々のキナーゼの基質を同定してそのリン酸化制御を明らかにすることは,基礎研究のみならず臨床応用の見地からも重要である.近年の各種プロテオミクス技術の進展により,キナーゼ基質を効率的に同定する方法が数多く報告されている.これまでに我々はIMACと2D-DIGEを組み合わせたリン酸化プロテオーム解析法を開発した.そして細胞内で多彩な役割を果たすERKの新規基質を多数同定し,核膜孔複合体のリン酸化による核-細胞質間輸送の制御を明らかにした.現在このIMAC/2D-DIGE法やPhos-tagウェスタンブロット法,及び質量分析計を駆使することにより,パーキンソン病の原因となるPINK1や自己免疫疾患に関わるPKDの基質を同定し,その細胞機能の制御を解析しており,これらの結果についても紹介する.

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© 2017 日本電気泳動学会
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