電気泳動
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総説
多発性骨髄腫 基礎研究からのアプローチ
黒田 芳明菊池 次郎古川 雄祐
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2017 年 61 巻 2 号 p. 93-96

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抄録

多発性骨髄腫は形質細胞に由来する難治性の造血器腫瘍である.近年,骨髄腫は進展に伴い枝分かれ的に複数種類のクローンが存在することが明らかになってきたが,これらのクローンの違いは遺伝子変異などgeneticなものだけでなく,後天的に獲得された細胞環境因子によるものもあると考えられている.その後天的獲得因子の一つとして細菌感染が骨髄腫増悪に関わっている可能性は,骨髄腫患者の臨床経過から推測可能であり我々の後方視的解析においても細菌感染後に骨髄腫が産生する異常蛋白(M蛋白)が一過性に増加する症例も認められた.そこで我々は細菌感染が骨髄腫細胞の増殖・悪性化に関わる機序を解明すべく基礎研究を行った.結果として,多発性骨髄腫細胞は,骨髄微小環境内においてCD180分子を細胞表面に発現し,細菌感染時にLPSを介したシグナルを受けて増殖能が亢進し,病態の進展に働く機序が示唆された.

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© 2017 日本電気泳動学会
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