電気泳動
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総説
多発性骨髄腫の腫瘍起源異常Bリンパ球の解明にむけて
坂井 晃
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2017 年 61 巻 2 号 p. 97-99

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抄録

多発性骨髄腫(MM)は,成熟Bリンパ球または形質細胞が染色体転座などにより腫瘍化したものと考えられている.しかし,成熟Bリンパ球に染色体転座が生じた程度でその細胞が腫瘍化するとは考え難く,成熟Bリンパ球(または形質細胞)がリプログラミングされた状態(エピジェネティックな変化)で染色体(遺伝子)変化が起こることが骨髄腫細胞の起源と推測する.そこで我々は,リンパ節由来の正常Bリンパ球からiPS細胞(BiPSC)を樹立し,それに活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)の発現誘導可能なBiPSC-Aも作製した.これらBiPSCsはCD34陽性の造血前駆細胞に分化可能である.今後これらのBiPSCsを用いて骨髄腫モデルマウスを作製したい.

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© 2017 日本電気泳動学会
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