電気泳動
Online ISSN : 2189-2636
Print ISSN : 2189-2628
総合論文
電気泳動法を応用した種々の糖タンパク質と病態との関連解析
飯島 史朗
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2018 年 62 巻 1 号 p. 1-4

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抄録

我々は,タンパク質または糖鎖構造のわずかな変化を検出可能な等電点電気泳動法を臨床検査室で応用するため,セルロースアセテート膜を用いた簡便な等電点電気泳動法を各種染色法,転写法と共に開発した.本法を用いてバイオマーカーを探索した結果,炎症性疾患では,α1-酸性糖タンパク質およびアンチキモトリプシンの結合糖鎖のうちConAレクチンとの反応性が高い糖鎖が炎症初期に検出され,回復期ではDSAレクチンとの反応性が高い糖鎖が増加することを見いだした.また,腎症の初期では,尿中トランスフェリンのうち,等電点の低いトランスフェリンの検出が有用であった.骨溶解病変を有する多発性骨髄腫患者では,MタンパクL鎖の結合糖鎖がConAレクチンと高い反応性を示した.以上より,開発した電気泳動法により生体試料の分析を容易にし,タンパク質結合糖鎖の分析は,炎症,腎症およびがんなど様々な疾患の新規バイオマーカー開発に有用であることを明らかとした.

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© 2018 日本電気泳動学会
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