電気泳動
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総合論文
ショットガン・プロテオミクス法による新規肺癌特異的膜タンパク質の同定と血清診断への応用
栁田 憲吾
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2018 年 62 巻 1 号 p. 9-12

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抄録

肺癌における新規血清診断マーカーを探索するため,組織型の異なる3種の肺癌由来細胞株で発現に相違のある細胞表面タンパク質をショットガン・プロテオミクス法により網羅的に解析した.各々の肺癌細胞の膜タンパク質をビオチン化し,回収後,ショットガン解析により解析した.同定された膜タンパク質はReverse-phase protein array法を用いて肺癌患者と健常患者血清中の抗原量を測定した.合計92個の膜タンパク質が同定されたが,本実験では分泌タンパク質として報告されているCD109とCD155タンパク質に着目した.血清中のCD109とCD155量は健常者に比して肺腺癌および肺扁平上皮癌患者で有意に上昇していた.また,Receiver-Operating Characteristic解析によりArea Under the Curve(AUC)を測定した結果,健常人に対する肺腺癌や肺扁平上皮癌患者におけるCD109のAUCはそれぞれ0.94と0.90,CD155ではそれぞれ0.96と0.77で両者を鑑別可能であった.以上,ショットガン・プロテオミクス法を用いた膜タンパク質の解析方法は新規血清診断マーカー獲得のための有用な方法である.

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© 2018 日本電気泳動学会
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