2026 年 70 巻 1 号 p. 11-16
リキッドバイオプシーの主要ターゲットであるセルフリーDNA(cfDNA)の体液からの分離には,その鎖長に依存せずにDNAをバンドとして分離でき,そのバンドを後続の解析のために回収する方法が求められる.等速電気泳動(ITP)は微量なcfDNAの濃縮に適するが,体液のような複雑サンプルの確実な泳動と,高収率の分取との両立が難しい.そこで我々は,複数種類のゲルや液体の区画を一つの泳動用流路に混在させられるオープン流路を開発した.また,陰イオン交換樹脂と脱塩カラムの組み合わせにより,10 ml程度の尿検体を電気泳動の試料の体積までに濃縮することに成功した.そして,結核患者尿検体から得られたDNAを定量PCRおよび次世代シーケンスで解析することで,尿を用いた結核診断,そして尿中の結核菌由来DNA配列の解析に資する結果が得られた.