2026 年 70 巻 1 号 p. 17-20
膠原病で観察される自己抗体の抗原タンパク質における翻訳後修飾(PTM)の異常を検出するために網羅的なPTMの定量法を開発した.二次元ウェスタンブロットの結果,U1-RNP抗体の対応抗原U1-68kは20種類以上のPTM亜型群として検出され,最もリン酸化が少ない亜型がU1-RNP抗体陽性者で有意に増加することが示された.次に我々は,LC-MS/MSを用いた網羅的なPTM定量法を開発し,抗好中球細胞質抗体ANCAの対応抗原myeloperoxidase(MPO)のPTMを解析した.その結果,MPO-ANCA陽性者の体内では,methionine,tryptophane,phenylalanineの酸化や脱糖鎖を受けたMPOが増加していることが示された.以上のように,膠原病患者体内における自己抗原のPTM異常が検出され,PTM異常が自己抗体産生の引き金となっている可能性を初めて示すことができた.