2026 年 70 巻 1 号 p. 33-37
タンパク質の翻訳後修飾の一つであるチロシン硫酸化は,多細胞真核生物に広く存在し,分泌・膜タンパク質で重要な役割を担う.本研究ではまず,[35S]-硫酸標識法と電気泳動を組み合わせた古典的かつ確実な解析法を紹介した.さらに,ゼブラフィッシュを用いてチロシン硫酸化酵素TPSTの機能を解析した.ゼブラフィッシュには3種類のtpst遺伝子が存在し,ノックダウン実験によりTPST2が発生初期の体節形成に特に重要であることが示された.二次元電気泳動と質量分析により,50個のタンパク質スポットに変動が確認され,そのうち24種を同定した.中でもWnt-4aやSemaphorin-3aaが新規のチロシン硫酸化候補であり,特にWnt-4aの減少が体幹異常に関与する可能性が示唆された.本研究はTPSTと発生過程の関連を示唆するものである.