1958 年 34 巻 8 号 p. 734-739,708
さきに岩宮はウシ松果体エキス (松エキス) を家兎に投与し, 糖代謝の面から一つの仕事仮説を建てた.即ち松果体は下垂体に働きそのホルモン就中成長ホルモンの分泌を促すという.続いて赤水は性周期の面から, 山崎及び岩宮は尿申17-ketosteroid排泄の面からbalance reactionの考えを導入して岩宮の仕事仮説を支持した.果して然りとすれば松エキスを投与すれば脂肪代謝の面に於いても何らかの影響が期待されるので, 著者は松エキスを投与して肝臓脂肪 (マウス) の増量の有無並びに血中脂質 (家兎) の動行について検索し, いささか見るべき成績を得たのでここに報告する.