日本内分泌学会雑誌
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7.ラット黄体相成立における中枢性調節
高橋 迪雄村上 昇内藤 博之鈴木 善祐
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1981 年 57 巻 2 号 p. 131-136

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抄録

多くの哺乳類では, 排卵と機能黄体の形成は連続した生殖現象で, 黄体相の成立という時点は, 必ずしも重要なエポックとして認識されていない。しかし実験動物としてのラットは, 一般に不妊生殖周期を繰り返しており, この状態では排卵後に形成された黄体はprogesterone分泌能を獲得せずに退行し, 4~5日後に次回排卵を迎える。機能黄相体, すなわち偽妊娠の成立には交尾刺激或いはこれと相等の外的刺激を要する。外的刺激が神経系に受容された後に, いかにして黄体細胞の生化学的変化を伴った内分泌的変化へと結果されるかは, 長年広範な興味の対象とされてきた。その理由は, この過程に含まれる神経-内分泌反射の成立, 下垂体分泌能の変化, 黄体細胞機能の変化など, いずれの段階においても哺乳類全般に敷衛可能の重要なプリンシプルが内包されていると考えられるからであろう。

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© 一般社団法人 日本内分泌学会
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