沿岸海洋研究
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Print ISSN : 1342-2758
東シナ海と日本海の植物プランクトンの変化:衛星データを中心に
石坂 丞二
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2020 年 58 巻 1 号 p. 53-55

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抄録

日本の縁辺海の東シナ海・日本海でも水温の上昇が報告され,温暖化による生態系の影響が懸念される.一方でこの海 域は人間による富栄養化の影響も大きいことが知られている.ここではこれらの海域での,衛星で測定したクロロフィル a 濃度の変化について報告する.過去の研究の10年スケールにおいても,最近の20年スケールの観測においても,東シナ 海ではクロロフィルa 濃度の上昇傾向が観測されている.東シナ海では,中国の長江水の富栄養化が報告されており, 直接的な富栄養化による植物プランクトンの上昇が考えられる.一方で,日本海は20年スケールでやはり上昇がみられ, 気候変動による可能性が考えられ,今後の研究が必要である.

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© 2020 日本海洋学会 沿岸海洋研究会
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