日本の縁辺海の東シナ海・日本海でも水温の上昇が報告され,温暖化による生態系の影響が懸念される.一方でこの海 域は人間による富栄養化の影響も大きいことが知られている.ここではこれらの海域での,衛星で測定したクロロフィル a 濃度の変化について報告する.過去の研究の10年スケールにおいても,最近の20年スケールの観測においても,東シナ 海ではクロロフィルa 濃度の上昇傾向が観測されている.東シナ海では,中国の長江水の富栄養化が報告されており, 直接的な富栄養化による植物プランクトンの上昇が考えられる.一方で,日本海は20年スケールでやはり上昇がみられ, 気候変動による可能性が考えられ,今後の研究が必要である.