日本生態学会大会講演要旨集
第51回日本生態学会大会 釧路大会
セッションID: O1-W05
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花序形態と花序内の蜜分布がマルハナバチの訪花行動に与える影響
*平林 結実石井 博工藤 岳
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抄録

隣花受粉(同一個体内の花間の受粉)は植物の繁殖成功に負の作用をもたらすことが知られている。隣花受粉はポリネーターの花序内連続訪花や滞在時間の増加に伴って増えることが知られている。それに対して植物は、花序内の花蜜分布を変化させる、あるいは蜜を出さない花(空花)を提示することによって隣花受粉を減らす戦略を持っていると考えられている。しかしこれまでの研究では、蜜分布や空花の存在が多様な花序形態においてどのように機能するかについては十分議論されていない。本研究では植物の花序サイズ(花数)、蜜分布、花序形態がマルハナバチの行動に与える影響について、交互作用を含めた評価を行うことを目的とした。他の影響を排除するために同一規格の人工花序と、人工的に増殖させたマルハナバチのコロニーを用いて実験を行った。人工花序はサイズ2種類×形態3種類×蜜分布3種類を用意した。この際、全ての花序の花あたり平均蜜量は同じになるよう設定した。これらの花序にマルハナバチを訪花させ、最初の訪問中の花序内滞在時間と連続訪花数を計測した。
蜜分布は花序内滞在時間と連続訪花数に影響を及ぼした。特に、空花を含んだ花序では花序内連続訪花数が顕著に小さかった。一方、花序形態は花序内滞在時間と連続訪花数にほとんど影響を及ぼさなかった。また花序サイズにおいては、蜜分布や花序形態に関わらず、大きい花序で滞在時間と連続訪花数が増加した。以上より、マルハナバチの訪花行動は蜜分布とディスプレイサイズにより影響を受けるが、今回の実験においては花序形態によってその効果は変化しないことがわかった。

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© 2004 日本生態学会
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