日本生態学会大会講演要旨集
第52回日本生態学会大会 大阪大会
セッションID: S4-2
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国立環境研究所が推進する森林生態系の炭素循環に係わる観測研究
*藤沼 康実
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抄録

国立環境研究所地球環境研究センター(CGER)は、国内外の研究機関等と連携して多くの地球環境モニタリングプロジェクトを推進している。地球温暖化関連では、国際的な観測戦略(IGOS;Integrated Global Carbon Obsevation)を踏まえて、人工衛星・航空機・船舶・地上局などの様々な観測プラットフォームを用いて温室効果ガスの濃度とフラックスを観測している。ここでは、森林のCO2フラックス観測を中心とした森林の総合観測研究について紹介する。 CGERは、北海道森林管理局の協力を得て、2000年初夏より苫小牧カラマツ林で、森林の炭素循環機能に関する総合観測研究を開始した。この観測研究では、森林機能・環境の長期継続的なモニタリングを基盤として、関連する多くの研究者が参加して、同一の森林を広範囲な分野から総合的に研究解析している。また、本観測研究が契機となり、わが国のフラックス観測研究者が結集し、わが国を含む東アジア地域のフラックス観測網(AsiaFlux)が発足し、その中核拠点としての機能も果たしている。なお、残念ながら苫小牧カラマツ林は2004年9月に来襲した台風18号により全壊したため、現在、同じ機能を持つ観測林を新たに選定中である。さらに、2001年より北海道大学天塩研究林で、北海道大学・北海道電力(株)・国立環境研究所が連携して、森林集水域での炭素循環を含む物質循環機能の育林過程による変化に関する総合観測研究(CC-LaG;Carbon Cycle and Larch Growth Experiment)を開始した。2003年には既存の針広混交林を皆伐し、整地後カラマツ苗を植樹し、長期にわたり育林過程を追った観測研究を進めている。 これらの森林観測研究では、CGERがモニタリングとして観測プラットフォームを長期的に運営し、観測データを集約・提供するものである。そこに組織を超えた多様な研究者が参画することによって、より密度の濃い研究成果が得られていおり、効果的な研究展開が進められている。

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© 2005 日本生態学会
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