日本生態学会大会講演要旨集
第52回日本生態学会大会 大阪大会
セッションID: S6-3
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海浜性ハンミョウ類の群集形成過程
*佐藤 綾堀 道雄
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キーワード: 競争, 系統地理, 形質置換, COI, 16SrRNA
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抄録

 ある地域に見られる種群(群集)の成立には、広域的な種のプールの成立と、そのプールを構成する種の局所的な生息場所選択と同じ生息場所を選択した他種との相互作用がかかわる。日本の海岸には、全部で9種のハンミョウ(甲虫目)が見られ、それぞれの海岸には2から4種が同所的に見られる。本研究では、海辺のハンミョウ種群の成立に注目し、広域的な種のプールの成立として、日本の海浜性ハンミョウ相の歴史的な形成過程を取り上げた。また、局所群集の成立要因として、ハンミョウ類の種間関係(競争)を取り上げた。ハンミョウ類の成虫は、どの種も裸地上を走りながら餌(小型節足動物)を探索するという生活形態を持っており、餌をめぐる種間競争が大きいと予想されたからである。
 まず、ハンミョウ類の競争関係を見るため、捕獲する餌サイズと正の相関を示す大腮長(顎サイズ)に注目し、日本全国17ヶ所の海岸のそれぞれで共存種の顎サイズを比較した。その結果、共存しているハンミョウ類では、種の組み合わせに関わらず種間で顎サイズは重ならなかった。また、顎サイズに大きな種内変異が存在するハラビロハンミョウに注目し、個体群間の顎サイズの違いを共存種との関係で説明した。これらの結果から、顎サイズと対応した餌をめぐる種間競争が、共存種の決定に大きな意味をもつと考えられた。
 次に、日本の海浜性ハンミョウ相の歴史的な形成過程を推測するため、大型4種に注目し、各種における大陸との遺伝的関係と、日本国内での地域集団間の遺伝的変異を解析した。その結果、大陸と遺伝的交流を失った時期や、日本の中での歴史的な地理的分化のパターンは、種ごとに大きく異なることが明らかとなった。
 以上の結果を踏まえて、海浜性ハンミョウ種群の成立過程についてまとめた。

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© 2005 日本生態学会
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