筆者は、2001年8月から国土交通省の琵琶湖河川事務所の所長として、さらに2004年4月から近畿地方整備局の河川調査官として、淀川水系河川整備計画の策定過程に関与している。この立場から、以下の3点を述べることにより、琵琶湖・淀川流域の今後の河川行政が目指しているところを示したい。 第一に、河川整備計画基礎案(河川整備計画の案)は淀川水系流域委員会を含むどのような過程を経て策定されたか、なぜそのような策定過程を経ることとなったのか。 第二に、河川整備計画基礎案の内容はどのような特徴を持つか、治水や利水について新しい考え方はあるか、新河川法で目的化された「環境」についてどのような考え方か、事業中のダムはどうなるのか。 第三に、淀川水系河川整備計画の策定過程に対する批判はないか、反省点はないか。