日本生態学会大会講演要旨集
第52回日本生態学会大会 大阪大会
セッションID: S7-2
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植物分子集団遺伝学ーコムギ、シロイヌナズナ、イネ
*宮下 直彦
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抄録

私たちは、植物自然集団に存在するDNAレベルの変異の維持機構と進化的背景を解明することを目的として、これまでいくつかの植物種を材料として分子集団遺伝学的解析を行ってきた。本発表では、まず基本的な種内および種間のデータ解析(変異量の推定・連鎖不平衡の検定)や中立性検定(Tajima検定・McDonald & Kreitman検定)の方法を紹介し、そのような方法を適用したコムギ・エギロプス、シロイヌナズナとイネ野生種を用いた研究結果を報告する。コムギについては、パンコムギのBゲノム提供親に関する倍数性進化を解明するために行った細胞質オルガネラ(葉緑体とミトコンドリア)DNA変異のRFLPおよびSSCP解析の結果を、シロイヌナズナについては、アルコール脱水素酵素遺伝子(Adh)などの核遺伝子領域の塩基配列多型と、ゲノム上に遍在するマイクロサテライト多型やAFLP多型について、イネについては、重複して存在する2つのアルコール脱水素酵素遺伝子や重金属耐性に関与するメタロチオネイン遺伝子の塩基配列多型について紹介する。

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© 2005 日本生態学会
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