電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review
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IT研究会提案
確率推論と疎行列に基づく同期誤り訂正符号化法
柴田 凌
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2022 年 15 巻 3 号 p. 154-167

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抄録

同期タイミングの不確実性や時間方向に対し変化を伴う雑音を有する通信・記録システムは,シンボルの挿入と削除に代表される同期誤りにより,その信頼性や効率性が大きく損なわれる.本稿では,疎行列と確率推論に基づく符号化法を扱い,同期誤りが発生する通信路の確率モデル,確率推論に基づく復号問題の定式化,及び確率伝搬法による復号アルゴリズムを解説する.その後,既存の同期誤り訂正符号を幾つか紹介する.最後に,レーストラックメモリで生じる特殊な同期誤りに焦点を当て,筆者らが提案した空間結合符号化法を解説する.

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© 2022 一般社団法人 電子情報通信学会
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