2010 年 4 巻 1 号 p. 32-38
電波を送受信することによって目的とする対象物の位置を推定する場合,その電波についてのより詳しい伝搬特性やその対象物についてのより多くの情報を用いることができれば,それだけより高い精度が得られる.本稿では,位置推定で用いられている初歩的な統計的推定理論について解説し,それらが非線形連続関数の最大化あるいは最小化問題として解くことができることを明らかにする.また,推定誤差に関するクラメル・ラオの下界式を示し,その結果から導き出される幾つかの性質について示す.