実験動物
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―196℃に凍結された16細胞期および桑実期の家兎胚の生存性
尾川 昭三友田 仁
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1976 年 25 巻 4 号 p. 273-282

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抄録
日本白色種, ニュージーランド白色種, およびダッチベルト種家兎の着床前期胚 (16細胞期および桑実期) について凍結 (-196℃) 実験を行なった。特に室温から0℃までの温度下降速度, 胚をとりまくミューシン層の存在, 氷晶Seeding処理および融解 (凍結からの) 処理の胚の生存におよぼす影響をしらべて凍結保存した結果良好な胚の生存率がえられた。ダッチベルト種胚では7~9℃/minで0℃まで冷却, 12.5%DMSO液にて-4℃氷晶Seedingを行ない-196℃に凍結し, 融解の際に4種の異なる濃度のPBSを段階的に加えて稀釈した結果in vitroで高率で発達した (16細胞期胚で5100, 桑実期胚で71%) 。最も高いin vitro発達例は, 桑実期胚を0℃まで1℃/2.5minで冷却, -4℃でSeeding後-196℃に凍結し, 融解の際には6, 3および1%のDMSO液, さらに培養液を段階的に加えて稀釈した場合にえられた (日本白色種胚で81%, ニュージーランド白色種胚で75%, ダッチベルト種胚では82%) 。ミューシン層のある胚とないものとの間には生存率に大差は認あられなかった。Seedingを行なわにず凍結したすべての胚は融解後発達しなかった。凍結融解胚各々6個を27匹の受容雌に移植した結果9匹が妊娠し, 妊娠第12日目の検査ではこれらに37の正常胎仔の存在が認あられた。
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© 社団法人日本実験動物学会
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