Experimental Animals
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Print ISSN : 0007-5124
C57BL/6J-ob系obeseマウスに見い出された小型肥満マウスの臨床病理学的研究
内田 和美高橋 政壽吉田 緑重村 まさみ船橋 英行藤原 弘
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1985 年 34 巻 3 号 p. 277-285

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抄録
C57BL/6J-ob系obeseマウスコロニー中に見い出された小型肥満マウスについて, 臨床病理学的に検査した。小型肥満マウスは生涯を通して認められる高血糖と尿糖強陽性を特徴とし, 高インスリン血症は示さなかった。このマウスの病理組織学的所見では膵ラ氏島の肥大・増数は認められず, 島構成細胞はA細胞が増加し, B細胞は減少傾向を示した。腎臓では糸球体メサンジウム基質の肥厚と, 遠位尿細管上皮細胞核内にグリコーゲンの蓄積を認めた。以上の成績から, 小型肥満マウスは通常の肥満マウスと異なったタイプの肥満型糖尿病動物であることが示唆された。
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© 社団法人日本実験動物学会
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