Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
実験用カニクイザルの成長にともなう血液学的および血清生化学的測定値の変化
II.多変量解析法の適用
吉田 高志長 文昭後藤 信男
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1987 年 36 巻 3 号 p. 245-251

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抄録
筑波医学実験用霊長類センターの個別ケージ内繁殖方式によって繁殖・育成された年齢の明確なカニクイザルで測定した16変量の血液学的・血清生化学的測定値に, 多変量解析法を適用した。正準判別分析の結果, 第1正準変量にカニクイザルの年齢との強い関係が認められた。その固有ベクトルの大きさから, カニクイザルの成長を把握するのに必要かつ十分な変量は8変量 (白血球数, 総タンパク量, アルブミン量, アルブミン・グロブリン比, 総コレステロール量, 遊離コレステロール量, 中性脂肪量, アルカリフォスファターゼ活性) であると判断された。この結果, 従来16変量を用いておこなわれていたカニクイザルの正常な成長状態の把握は, 8変量となり, 合理的に測定項目数を減少させることができた。
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© 社団法人日本実験動物学会
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