Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
体外受精に由来する肥満性糖尿病モデルC 57 BL/KsJ-dhmマウスについて
鈴木 宏志新谷 参郎富樫 守宮井 達也本秀 夕景岡本 道生
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1988 年 37 巻 3 号 p. 245-249

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抄録
ホモ個体間の体外受精によって得られたC57BL/KsJ-dbmマウスの体重増加, 血糖値, インスリン値および尿糖の出現について, 自然交配由来の産仔と比較検討した。Adrex雄の精子とdb/db雌の卵子との体外受精によって得られた376個の2細胞期胚の移植により, 65例の生存産仔が得られた。体外受精仔では自然交配によって得られた発症個体と同様に肥満, 高血糖, 高インスリン血症が観察された。しかし, 尿糖の出現時期は体外受精仔に早い傾向が認められた。このことは, 体外受精―培養―胚移植系が病態モデル動物の繁殖および遺伝子型の明らかな胎仔 (産仔) の作出に有効な手段であることを, 明瞭に示しているとともに, 妊娠中の母体環境の次世代に及ぼす影響を検討することを目的とした新たな実験系をも可能とする。
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© 社団法人日本実験動物学会
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