抄録
ナキウサギochotona rufescens rufescensの皮膚に対する水酸化ナトリウムの一次刺激反応は, ウサギに比べて著しく強く出現した。しかし, ナキウサギの皮膚に対する酢酸塗布後の反応は軽度であった。ナキウサギの皮膚に0.1N水酸化ナトリウムを24時間塗布した後の表皮層には, 痂皮形成, 糜爛, 角化亢進, 壊死が見られ, 真皮層には血管拡張, 壊死, 好中球浸潤が認められた。ナキウサギの皮膚に水酸化ナトリウムの1Nを1時間あるいは0.1Nを3時間塗布すると, 炎症性変化が出現した。