1991 年 40 巻 3 号 p. 337-341
生後52週齢の成熟雄ラットに古くから催淫剤として使用されていたヨヒンビン (5, 10μg/rat) を側脳室に投与し, その後30分間の交尾行動を観察した。その結果, ヨヒンビン投与群は溶媒対照群に比較してマウント潜時の有意な減少 (p<0.01) およびマウント回数の有意な増加 (p<0.01) が観察された。しかし, イントロミッションおよび射精は観察されなかった。一方, ヨヒンビン投与群 (10μg/rat) の自発運動量は対照群に比較して有意な減少を示した (p<0.05) 。以上の成績より, ヨヒンビンは高齢ラットに対しても性的興奮の調節機構に関与しているものと推測される。