抄録
エールリッヒ腹水癌細胞 (EAT細胞) は細胞表面のH-2遺伝子産物をほぼ消失しており, 105細胞の腹腔内移植でどの系統マウスにも生着する。しかし, 皮下移植では2×107細胞の移入で, DBA/2 (H-2d) , C3H (H-2k) , AKR (H-2k) , CBA (H-2k) , DBA/1 (H-2q) では増殖し固形癌を形成したが, C57BL/10 (H-2b) , BALB/c (H-2d) , NZB (H-2d) , A (H-2a) , SJL (H-2s) では退縮した。各グループに共通する遺伝的特徴を探すと, EAT退縮系マウスのLyハプロタイプはLy-1.2およびLy-2.2という共通性があった。EAT増殖系マウスのそれはLy-1.1 (ただし, AKRは例外) およびLy-2.1であった。