2014 年 50 巻 1 号 p. 68
ニーマンピック病C型(NPC)は,リソソームの異常によって生じる希少疾患の1つである.NPCには発症年齢に個人差があり,乳児型,幼児型,若年型,成人型に大別されている.主な症状としては,肝肥大や肝脾腫といった肝機能障害,カタプレキシー,ジストニアおよび精神・運動発達遅滞などの中枢神経障害が挙げられる.NPCの発症要因が,コレステロールの細胞内輸送に関連する遺伝子であるNPC1またはNPC2の変異であることは知られているが,その発症メカニズムは不明であるため,いまだ有効な治療法が確立されていない.