ファルマシア
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談話室
フッ素と麻酔薬
稲垣 喜三
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2014 年 50 巻 1 号 p. 7_1

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抄録

フッ素(F2)は元素の中で最も強い反応性を有し,その反応性の強さは「電気陰性度の高さ」に由来する.フッ素の原子では,原子核の周りを内側に2個,外側に7個の9個の電子が回っている.この外側の電子殻は,8個目の電子が入った時に最も安定になるため,フッ素は周辺にある元素から電子を奪い取り,マイナスイオンになろうとする性質がある.そして,フッ素は電子を原子核近くへ引き込むため,フッ素を含む化合物は分子間に働く力が小さくなり,同程度の大きさの分子に比べて沸点が低くなる.

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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