理化学研究所(以下,理研)がバイオリソース事業に着手したのは1986年のことであり,理研ジーンバンクとして,遺伝子,細胞等を中心としたバイオリソース事業を開始した.2001年には,理研の中の独立したセンターとして理研バイオリソースセンター(以下,理研BRC)が設立され,現在では実験動物,実験植物,細胞,遺伝子,微生物,情報の6部門が各々のリソース事業を展開している.バイオリソース事業の第一義的な目的は,研究者が必要とする研究材料を整備し,これを迅速に提供することによって,研究の発展に貢献することである.本事業には,バイオリソースそのものの開発を行うことも含まれてはいるが,現状では,理研BRCが整備しているバイオリソースのほとんどは外部機関の研究者が開発したものである.