ファルマシア
Online ISSN : 2189-7026
Print ISSN : 0014-8601
ISSN-L : 0014-8601
セミナー
タンパク質間相互作用を阻害・検出する合成分子の創製
大神田 淳子
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 50 巻 11 号 p. 1101-1106

詳細
抄録

タンパク質間相互作用(protein-protein interactions:PPIs)を対象とした創薬が広く注目されている.従来,作用面が広く浅いPPIsに対する低分子創薬は著しく困難な問題と考えられてきた.しかし近年,PPIsの分子機構に関する理解が進み,阻害剤設計の手掛かりが見えてきた.また,PPI阻害剤の分子サイズにパラダイムシフトが起こり,PPIsは以前にも増してdruggableな標的として認識されつつある.同時に,PPIsを安定化する有機分子にも,新しい切り口の医薬品や化学生物学研究の分子ツールへの応用が期待されている.本稿では,こうした背景のもと発展したPPI創薬の動向について触れると共に,我々のPPI標的型合成分子の設計に関する研究を紹介したい.

著者関連情報
© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
前の記事 次の記事
feedback
Top