ファルマシア
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速報 話題
「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」について
一瀬 篤
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2014 年 50 巻 11 号 p. 1133-1136

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抄録

再生医療とは,iPS細胞,ES細胞,体性幹細胞などを利用して,傷病で機能不全となった組織,臓器を再生させる医療である.日本では平成19年に,京都大学の山中伸弥教授が世界初のヒトiPS細胞の樹立に成功したことにより,一躍注目を浴びた.再生医療は,難病などへの臨床応用が期待されている.
一方,再生医療は新しい医療であり,その安全性が十分に確立されているとは言い難い.直接の因果関係は不明だが,治療のため幹細胞を投与し死亡に至った事例が明らかになるなど,再生医療全体に対する安全性への懸念や,日本における再生医療に対する規制が必ずしも十分でないとの議論が起こるようになった.平成24年に山中教授がノーベル生理学・医学賞を受賞すると,国民の再生医療に対する期待が更に高まりを見せ,国会での議論が加速し,「再生医療等の安全性の確保等に関する法律(以下「本法」)」が昨年公布され,本年11月25日に施行予定である.

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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