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医薬品品質向上のための製造工程内モニタリングの発展
大橋 良徳
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2014 年 50 巻 12 号 p. 1260

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抄録

日々新たな医薬品候補化合物が見いだされ,様々な剤形の医薬品へと仕上げられていく.臨床試験から申請を通じて,製剤開発に関する知識・経験を高め,得られた技術情報を体系化し,承認取得後の実生産へとつなげるのが企業製剤研究の役割の1つである.近年,製剤開発のガイドラインにおいて,『品質は製品になってから検証するものではなく,設計によって製品に組み込まれるべきもの(quality by design:QbD)』という考え方が通知されている.そのガイドラインの考え方からprocess analytical technology(PAT)ツールの使用が大きく進歩してきている.PATツールとは製造中の特性測定やその結果解析に使用するツール全般を指しており,代表的なものには近赤外分光分析法が知られている.これらは,製造工程中に各特性をモニターにすることより,最終製品になる前の段階で品質を担保するという目的達成の一助を担っている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) 厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知 「製剤開発に関するガイドライン」 , 平成18年9月1日.
2) Reich G., Adv. Drug Deliv. Rev., 57, 1109-1143 (2005).
3) Roggo Y. et al., J. Pharm. Biomed. Anal., 44, 683-700 (2007).
4) Roβteuscher-Carl K. et al., Int. J. Pharm., 466, 31-37 (2014).

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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