ファルマシア
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Toll-like receptor 3 により認識されるRNA構造
神田 敦宏
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2014 年 50 巻 2 号 p. 165

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抄録

自然免疫においてウイルス・細菌の構成成分は,細胞表面にあるToll様受容体(Toll-like receptor;TLR)によって認識される.TLRの1つであるTLR3は,細胞外のウイルスRNA検知システムと考えられている.TLR3はマクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞に発現しており,TLR3からのシグナルは樹状細胞の成熟化を促し,細胞傷害性Tリンパ球やナチュラルキラー細胞の活性化を誘導する.RNAウイルス複製時に生じる二本鎖RNA(dsRNA)は,宿主細胞の細胞外に放出されると,dsRNA取り込み受容体を介して抗原提示細胞に取り込まれる.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Sasai M. et al., J. Immunol., 174, 27-30 (2005).
2) Hacker H. et al., Nature, 439, 204-207 (2006).
3) Oganesyan G. et al., Nature, 439, 208-211 (2006).
4) Cavassani K. A. et al., J. Exp. Med., 205, 2609-2621 (2008).
5) Tatematsu M. et al., Nat. Commun., 4, 1833 (2013).

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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