ファルマシア
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ストレスは室傍核を刺激する:抑制性シナプスにおける長期増強現象
鹿内 浩樹
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2014 年 50 巻 2 号 p. 170

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抄録

過度で持続的なストレスは,統合失調症や気分障害といった精神疾患の誘発因子として広く知られている.その機序として,種々のストレス曝露による脳内ストレス応答機構の長期的な変化が考えられている.特に中枢神経系においては,シナプス伝達効率の変化,すなわち「シナプス可塑性」と呼ばれる性質であり,長期的な伝達効率の増強現象はlong-term potentiation(LTP)と呼ばれている.これまでLTP現象は,海馬や扁桃体などの脳領域で活動する興奮性シナプスにおいて観察され,記憶や学習の電気生理学的な神経基盤として考えられてきた.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Bliss T. V., Collingridge G. L., Mol. Brain, 6 : 5 (2013).
2) Inoue W. et al., Nat. Neurosci., 16, 605-612 (2013).
3) Tenorio G. et al., Learn. Mem., 17, 627-638 (2010).

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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