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白内障の病態および治療の現状と今後の展望
森 麻美石井 邦雄
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2014 年 50 巻 3 号 p. 217-221

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抄録

白内障は,水晶体が混濁することで網膜に達する光の異常散乱や透過性の低下が起こり,視界がかすむ,霧がかかったように見える,光をまぶしく感じる,ぼやけるなどの症状が出て,視力が低下する疾患である.常染色体優性遺伝や妊娠時母体の風しん感染などにより,出生時もしくは出生後早期から発症する先天性白内障と,様々な要因で発症する後天性白内障に分類することができる.後天性白内障の中で最も一般的なのは加齢性白内障であるが,他にも糖尿病性白内障や,アトピー性白内障,外傷性白内障,ステロイド白内障,放射線白内障,ダウン症候群や筋緊張性ジストロフィーなどの全身疾患に伴う白内障,眼内炎,ぶどう膜炎や網膜剥離など眼の病気による白内障がある.
本稿では,はじめに眼の構造について解説し,次いで白内障の病態,治療法の現状と問題点,今後の展望について論じたい.

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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