2014 年 50 巻 3 号 p. 243_3
マイボーム腺は上下の眼瞼に存在する外分泌腺で,油成分を分泌し涙液の蒸発を防いでいる.MGDはその機能がびまん性に異常をきたした状態で,慢性の眼不快感を伴うと定義され,その原因はマイボーム脂質の変性やうっ滞・慢性感染や炎症導管上皮の過角化といわれる.治療は,眼瞼の洗浄療法・温罨法が中心で,眼瞼の環境を整えるものである.ドライアイ専用メガネ,眼瞼専用のアイシャンプー,眼周囲専用温熱カイロなどのアイテムにより,治療が身近になっている.ほかに,眼瞼全体へ圧力と熱(41~43℃)を加え,眼瞼のマイボーム腺脂の溶解・圧出を行う「Lipiflow」や,マイボーム腺の閉塞を1つずつ開口していく「Maskin Probe」がある.