2014 年 50 巻 4 号 p. 331-333
医療現場では多職種連携,薬薬連携などの重要性が言われているが,そもそも「連携」とは目的でなく手段である.まずは,「患者にとって安心して暮らせる地域づくりと,最適な医療,薬物療法を提供する」という目的を薬剤師が認識する必要がある.そのためにも,薬剤師が医療人としての倫理観を持ち続けることが重要である.
本来,薬剤師の患者に対する目的は共通であるはずだが,現状では薬剤師の業界の中でも複数の団体が存在し,病院薬剤師,中小規模の薬局や大型チェーン薬局の薬剤師など立場が違う薬剤師が自ら共通の目的を持って連携し,まとまることは難しい状況である.
そこで,地域薬剤師会が立場の違う薬剤師同士の顔が見える関係を作り,その地域の現状にあった連携しやすい体制を整備する必要があると考える.顔の見える関係となり,他職種の役割,専門性の違いや情報の違いを意識した上で,1人の患者に対して協働していくことが重要である.