2014 年 50 巻 5 号 p. 413-417
核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance:NMR)法は,タンパク質の立体構造情報を原子レベルで得られる分光学的手法である.NMR法では,生理的条件に近い溶液状態での解析が可能であり,運動性,構造平衡など動的構造情報が得られることが特徴である.ここでは筆者らが行った,生理的・薬理的に重要な膜タンパク質であるGタンパク質共役型受容体(GPCR)の動的構造平衡の解析を例に,NMR法が膜タンパク質の機能解明において,いかに有用であるかを紹介する.