ファルマシア
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ビールから抗肥満物質!? ホップの成分キサントフモールの機能性
中島 健一
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2014 年 50 巻 5 号 p. 445

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抄録

ホップHumulus luplusはビール原料の1つとして,その雌株の毬花が風味付けや保存性向上のために利用されている.ビール特有の苦味は,主にフムロンや醸造中に変換されるイソフムロン等の苦味成分によるものである.本成分の存在は古くから知られていたが,昨年,遂に絶対構造の決定が成された.同様にホップの主成分であるキサントフモール(xanthohumol:XH,図1)に関する研究も興味深い.XH は,カルコン誘導体であり,がん予防効果について盛んに研究が行われてきた.Legetteらは,高脂肪食を与えた雄の肥満モデルラットにおいて,6週間XHを投与したところ,体重増加と空腹時血糖値上昇を有意に抑制することを報告したが,最近,その作用に関するさらなる研究が報告された.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Urban J. et al., Angew. Chem. Int. ed., 52, 1553-1555 (2013).
2) Legette L. L. et al., Phytochemistry, 91, 236-241 (2013).
3) Kirkwood S. J. et al., J. Biol. Chem., 288, 19000-19013 (2013).
4) Krajka-Kuzniak V. et al., Toxicol. In Vitro, 27, 149-156 (2013).

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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