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がん細胞遊走・骨転移を抑制するイオンチャネル創薬戦略
丹羽 里実
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2014 年 50 巻 5 号 p. 448

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抄録

がん細胞において,カルシウム透過チャネルは,直接的に細胞内カルシウム濃度を調節し,細胞増殖・分化・浸潤・遊走・アポトーシス誘導に重要な役割を果たしている.一方,非興奮性細胞におけるカリウムチャネルの活性化は,細胞膜の過分極を介して,間接的にカルシウム流入を引き起こし,同様の役割を果たす.中でも,カルシウム活性化カリウムチャネルは,細胞内のカルシウム濃度上昇によって活性化し,細胞膜を過分極させる.この過分極は,カルシウム遊離活性化カルシウムチャネル(Orai1チャネル)などのカルシウム透過チャネルからのカルシウム流入を促進する.カルシウム活性化カリウムチャネルはコンダクタンス(電流の通りやすさ)の大きさにより分類され,小コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャネル(small-conductance Ca2+-activated K channel:SK)ファミリーの1つであるSK3チャネルは,中枢神経,平滑筋,乳がん組織等に機能発現しており,がん細胞の遊走に寄与することが知られている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Potier M. et al., Mol. Cancer Ther., 5, 2946-2953 (2006).
2) Girault A. et al., Curr. Med. Chem., 19, 697-713 (2012).
3) Chantome A. et al., Cancer Res., 73, 4852-4861 (2013).

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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