ファルマシア
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最前線
幹・前駆細胞の栄養応答とその分子機構の最前線
インスリン経路とマイクロRNAの関与
福山 征光
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2014 年 50 巻 6 号 p. 512-516

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抄録

我々の組織や臓器を構成する大多数の細胞は,高度に分化した機能と形態をもち,そのほとんどが分裂する能力を失っているため,新たに細胞を産生することができない.これに対して,幹細胞や前駆細胞(ここでは幹細胞と比較して限られた回数しか自己複製できず,その後分化することが決定付けられた未分化な細胞の意味で用いる)と呼ばれる未分化な細胞群は,個体の成長や恒常的な細胞の入れ替え,再生などのような生理的局面において,適宜分裂し,新しい細胞の追加や補充をする.幹細胞や前駆細胞の中には,個体の栄養状態の変化に応答し,分裂や分化などの活動を亢進させたり(活性化),逆にそれらの活動を一時停止したりするものがあることが最近明らかになってきた.また,幹細胞や前駆細胞の活性化調節機構が,加齢に伴う疾患や発がんに密接に関係することが報告されている.しかしながら,ほ乳動物で幹細胞の栄養応答が詳細に報告され出したのはここ数年のことであり,その分子機構は不明な部分が多く残されている.そこで本稿では,マウスのみならず,実験動物としてよく使われるショウジョウバエや線虫も含めて,幹細胞や前駆細胞の栄養応答メカニズムに関する最近の知見を概観する.

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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