ファルマシア
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好中球はネット状の構造物を放出してがん転移を促進する?
岡本 貴行
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2014 年 50 巻 6 号 p. 573

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抄録

好中球細胞外トラップ(neutrophil extracellular traps:NETs)は2004年にBrinkmannらによって報告された好中球の生体防御反応である.感染により活性化した好中球は,既知の細胞壊死やアポトーシスとは異なる特徴的な細胞死(NETosis)を引き起こし,自身のDNAを細胞外へ放出して,NETsの名の通りネット状の構造を形成する.NETsは,DNAの他にヒストン,好中球エラスターゼ,好中球顆粒内の抗菌物質などを構成成分として含み,貪食とは異なり,細胞外で細菌や病原体を捕捉して殺菌する役割を持つ.また,NETsは異物を捕捉するとともに,白血球,血小板と血管内皮細胞を相互作用させ,微小血栓を形成して異物の排除を行う.近年,このNETsによる異物や細胞の捕捉という概念が各種病態の理解に影響を与えている.
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Brinkmann V. et al., Science, 303, 1532-1535 (2004).
2) Cools-Lartigue J. et al., J. Clin. Invest., 123, 3446-3458 (2013).

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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