ファルマシア
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抗生物質による常在菌叢の混乱に乗じた病原菌の増殖戦略
岡崎 祥子
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2014 年 50 巻 8 号 p. 817

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抄録
健康な動物の腸内では数兆もの常在菌が互いに競合しながら複雑かつダイナミックな生態系を形成し,宿主を病原菌から保護している.しかし,抗生物質が経口投与されると感受性の違い等から,それまでの菌同士の平衡関係が破綻し,菌の種類や存在割合の劇的な変化(常在菌叢の混乱)が起こる.このとき,ネズミチフス菌(S. typhimurium)やClistridium difficileC. difficile)などの病原菌がしばしば増殖することが知られている.では,これらの病原菌はどのように常在菌叢の混乱を利用しているのだろうか?
なお,本稿は下記の文献に基づいて,その研究成果を紹介するものである.
1) Pavia A. T. et al., J. Infect. Dis., 161, 255-260 (1990).
2) Pacheco A. R. et al., Nature, 492, 113-117 (2012).
3) Lowley T. D. et al., Infect. Immun., 76, 403-416 (2008).
4) Ng K. M. et al., Nature, 502, 96-99 (2013).
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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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