ファルマシア
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味覚とGPCR
岩槻 健
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2014 年 50 巻 9 号 p. 885-887

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抄録

最近,日本が誇る伝統文化の1つである和食がユネスコの無形文化遺産に登録された.その理由は,自然食材の利用やそれを用いた表現,栄養バランス,年中行事とのかかわりなどが認められたということである.しかしながら,和食の神髄は食材のうまみを引き出す“出汁(ダシ)”を使うことにある.和食では出汁を昆布,削り節,干し椎茸などからとるが,昆布からはグルタミン酸が,削り節や椎茸などからは核酸が主な成分となっている.これらはいずれも,味覚受容体の1つであるうま味受容体に結合し,うま味シグナルを味神経に伝える.これまでの研究から,うま味受容体は甘味,苦味と同様にGタンパク質共役型受容体(GPCR)で構成されており,T1R1+T1R3のヘテロ2量体,代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)1,mGluR4と報告されている.

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© 2014 The Pharmaceutical Society of Japan
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