2014 年 50 巻 9 号 p. 899_3
生理活性物質の探索研究において,従来の手法では,まず特定の標的細胞や個体に対して作用する生理活性物質を発見し,その作用機序を解明する過程で受容体が同定されるという手順であった.しかしながら全ゲノム情報が解読され,結合する生理活性物質が不明な受容体の存在が明らかとなったことにより,まず受容体を同定し,その受容体に作用する生理活性物質を発見するといった,従来とは全く逆方向の研究手法が用いられるようになった.この手法が逆薬理学的手法,reverse pharmacologyと呼ばれている.